運送業許可が不要になる場合とは?不要となるパターンについて解説!

運送業許可

運送業を行うためには許可を取得する必要があります。しかし、運送業をはじめるにあたって、安全な運送業務を確立するために「モノ」「ヒト」「カネ」のそれぞれの要件をしっかり満たしているかを様々な観点で確認をします。そのため、許可の種類としては要件が厳しいため難しい許可申請になります。

安全な運送業務を確立するためには、メインの貨物自動車運送事業法のほか、都市計画法、建築基準法、消防法などの様々な関係法令の要件をクリアする必要があります。多額の自己資金を用意しておく必要があり、申請から許可までにもかなり時間を要します(約6ヶ月)

しかし、場合によっては運送業許可申請が不要な場合もあります。これから事業として行いたい運送業について、許可は必要なのだろうか?とお悩みの方もいらっしゃると思います。

そこで、今回は運送業許可が必要か不要か判断するポイントというテーマで、詳しく解説致します。

運送業の許可とは?

運送業とは、正確には「一般貨物自動車運送事業」を指します。「運送業許可」については主として、貨物自動車運送事業法において定められています。次のように定められています。

貨物自動車運送事業法第2条
この法律において「貨物自動車運送事業」とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう。
2 この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。

つまり、「他人から依頼を受けて、お金をもらって荷物を運ぶ事業」については、運送業許可を取らなければ、行うことができません。

このパターン以外においては、運送業の許可は不要となり、そのパターンは大きく3つに分けられます。

無償で貨物を運送する場合

運賃をもらわず、他の会社の製品等を運ぶ場合は運送業の許可は不要です。

ただし、運搬によって対価を得ている場合、名目が「運賃」でなくとも、名称の如何にかかわらず「運賃代」と同視できる場合は運送業の許可が必要となる場合があります。

自社の貨物を運送する場合

自社の商品を運ぶ場合は、運送業の許可は不要です。自社で販売している材料を無償で配送する場合は、通常業務の一環として必要な行為であるため、許可が不要となる場合があります。

しかし、自社ではないグループ会社等の荷物を有償で運ぶ場合は許可が必要になります。グループ会社であっても、法律上は法人格は異なるため「他社の貨物を運搬する」ことになりますのでご注意ください。 

軽自動車や二輪バイク等で荷物を運送する場合

貨物自動車運送事業法 第36条
貨物軽自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、営業所の名称及び位置、事業用自動車の概要その他の事項を国土交通大臣に届け出なければならない。当該届出をした者(以下「貨物軽自動車運送事業者」という。)が届出をした事項を変更しようとするときも、同様とする。

軽自動車を使用する場合は、代金が発生した場合でも許可を取得する必要はありません。その代わりに、「貨物軽自動車運送事業」の届出が必要になります。

しかし、ここで大切なポイントとして必ず“貨物自動車登録”を行う必要があります。黒ナンバーにしてから、運送業を行うことが可能になります。

まとめ                

今回は、運送業許可が必要か不要か判断するケースについて解説しました。無償で荷物を運ぶだけなら不要ですが、代金を伴う場合は必ず必要です。

貨物軽自動車運送事業の場合であっても、許可申請ではありませんが登録するためには要件を満たしておく必要があります。事前に何が必要なのかを把握しておくことが大切です。

最後に

運送業許可を取得するためにはメインとなる貨物自動車運送事業法、道路運送法とそれにまつわる公示や施行規則の他に、都市計画法、消防法、農地法、建築基準法などが複雑に絡み合うため、これらの法律に定められた基準をクリアしなければ申請には至りません。

運送業許可に関して何かご不明な点などございましたら、専門家である行政書士までお気軽にお問い合わせください。